起業の教科書連載シリーズ


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適応障害を抱えながら、自分が楽しめる店づくりへ 「地下室こもり」店長リモコンさんの場合【しょぼい起業実践インタビュー】

適応障害を抱えながら、自分が楽しめる店づくりへ 「地下室こもり」店長リモコンさんの場合【しょぼい起業実践インタビュー】

どうも、えらいてんちょうです。皆さん、しょぼい起業やっていっていますか。自営業は会社勤めと比べ、自分がより心地良く働けるような環境を選ぶことができるようになります。今回は、適応障害を抱えながらも、お客様はもちろん自分にとっても快適な居場所「地下室こもり」を経営するリモコンさんにインタビューしてきました。

適応障害の診断、休職、退職。顧客との距離感や自分にのしかかる責任の重さに押しつぶされる

―自己紹介をお願いします。

リモコンと申します。1994年生まれの現在24歳です。大学を卒業してIT企業の営業に勤めましたが、10ヶ月で適応障害と診断され休職し、その後退職しました。3月に結婚して今はJR埼京線の十条駅で「地下室こもり」という呑み屋をやっています。

—IT企業で営業として働き、適応障害と診断され、休職・退職となるまでの経緯をお聞かせください。

もともと人と話すことも好きだったし営業向いているだろうなと思い営業を志望しました。休職してしまった理由としては顧客のセクハラと移り変わりの激しいITの情報についていけなくなったからです。

同期はできているのにわたしはできないなと思い始めてからどんどん自分を責めるようになりました。初めは3ヶ月休職したら復職する予定でしたが、3ヶ月経っても症状は良くなりませんでした。面談をするために会社に行かなければならないのも怖く、マスクして顔を隠さないと外出できませんでした。復職は諦めて家で引きこもっている日が多かったですね。

唯一外に出るのはご飯の買い出し程度でした。すぐ近くのスーパーなんですがマスクは必須でしたね(笑)ただ、チームの先輩や上司の方は本当に好きでした。色々教えてくださって、今でも感謝しています。社内の人間関係が苦しいと言うよりは顧客との距離感や自分にのしかかる責任の重さに押しつぶされてしまいました

「お店=仕事場」から「お店=お家」へ。仕事とプライベートの距離感を心地良く近づける

—「地下室こもり」はどのようなことがきっかけで始めたいと思ったのでしょうか?

イベントバーエデンやしょぼい喫茶店で「居酒屋ひきこもり〼」というイベントを何度かさせていただきました。お客さんに美味しいご飯とお酒で楽しんでほしいと思ってやったイベントなのですが、自分もすごく楽しかったのがきっかけです。人と話すことも好きだしお酒も好きなのでカウンターのある呑み屋を自分で開きたいなと思いました。

—とは言うものの、適応障害があり、やはり人と話すことも体力がいることだと思います。週休3日や不定休を取り入れ、自分の体調などと相談しながら、自分のペースでお店と付き合われているという印象を受けましたが、お店との距離感はどのように考えていらっしゃいますか?

お店は、自分が楽しめないと続かないと思っています。なので、無理せずにゆっくりでも続けていきたいと思っています。そのため精神的にしんどいときはお店を閉めて家でゆっくりしています。

朝起きて「あ、今日しんどいな」となることが多く、いきなりお休みにしてしまうことでお客さまにはご迷惑をおかけしてしまい申し訳なく思っています。なので、できるだけお店を自分の家のような空間にしていくことを目標にしています。最初の頃は「お店=仕事場」という考えが少しあり、お店に行くことに抵抗がある日もありました。最近は好きな漫画を置いたり、ポスターを貼ったりお手洗いの壁を落書きできるようにしたりすることで、お店が好きな場所で落ち着ける空間になってきました

お店を自分の家のような空間にし、仕事とプライベートの距離感を縮めることで少しでも多くお店に立てる日を増やしていきたいです。適応障害がまだ治っておらず落ち込む日もありますが、誰かとたわいもない話をすると自然と元気が出てきます。いつも助けられてますね。

—企業勤めの時は、仕事とプライベートの距離感というものはどうでしたか。

基本的に仕事とプライベートをきっちり分けることは難しかったです。土日にもメールが飛んできたり、平日に有給を取ってもお客様から電話がかかってきました。もちろん休みの日には頻度は少なくなりますが、仕事のことを考えてばかりで気持ち的に休めていませんでした。休日は社用の携帯の電源を切る方もいたようですが、万が一緊急事態が起こったらとか、休み明けに依頼をどうやって対応するかばかり考えてしまいました。

最後の方は自分のせいでプロジェクトが無くなったらどうしようなど悪い方向にばかり考えてさらに自分を追い詰めてましたね。お客様にプライベートの連絡先を聞かれることもあり、断ったらせっかくの契約が無しになるんじゃないかと思って断れませんでした。休みの日のお誘いとか(そこは丁重に断りましかた)、退勤後にプライベートの方に連絡が来るなど、そういう面でも切り離せなかったです。

―なるほど、企業勤めの時は、半強制的に仕事とプライベートを近づけるを得ず、緊張した距離感でしたが、今のこもりとプライベートとの距離感は、同じように近づいてはいるものの心地よく近づいたということでしょうか。企業勤めを辞め、こもりを経営するようになってから何か変化しましたか?

そうですね。無理をせずに自分のペースでできるのでそこまで追い詰めることはなくなりましたね。それでも、2ヶ月半くらい経ってようやくペースを掴めるようになりました。ただ問題が起こったら全てわたしの責任になるのでそこは引き締めていかないといけない部分だと感じています。自分の体調やお客さまの求めるものをうまく馴染ませるのが難しく、今後の課題だと感じています。

色んな人に助けてもらいながらお店を経営していく。お客様同士の距離感も縮めていくお店に

—差し支えない範囲で、各事業を始めるまでのコスト、現状の収益の形態などをお教えください。

物件の初期費用と冷蔵庫やガスコンロなどの備品で90万円程かかりました。初期費用の90万のうち60万は、イベントバーエデンでの投資家起業家マッチングバーで出資(贈与)していただきました。ランニングコストとしては家賃やWiFi、光熱費諸々で月12万円くらいです。現状の収益は売上の30〜40%くらいです。現在はわたし1人でお店に立ったり経理も行なっています。親戚が自営業をしているのでアドバイスをもらったり、母に手伝ってもらいながらなんとかやっています。

—これからの展望はありますか?

これからは地域の方とネットを見て来てくれた方との繋がりを深めたいです。イベントの運営がなかなか難しく、地域の方とネットを見て来てくれた方の温度差や求めるものが違ってそこの違いをうまく馴染ませるのが今の課題だと考えています。現状、地域の方とネットを見て来てくれた方同士で話が盛り上がることもあるのでこの繋がりをもっと広げていけたらと考えています。また、わたし自身がアニメや漫画が好きなので今後はオフ会の会場として使ってもらったり、少人数の貸切営業も積極的にやっていきたいと思っています。

お店の雰囲気づくりとしては、わたしはお酒飲むのが好きなのでお客さまと一緒に飲めみたくて、そんなお店にしていきたいです。15:00からお店開けているのでオープンから飲みたいです(笑)
地下で少し入りづらいかもしれないですがのんびりできる空間にしていて、わたしもカウンターの中で座ったりしてるので気軽に来てくれたら嬉しいですね。

あと、料理にも力を入れていきたいです!お酒に合う和食や創作料理を作っていきたいですね。おつまみ3種セットなども視野に入れています。提供価格も400〜600円くらいの高すぎない範囲でうまくやっていきたいです。

1人で回すことの難しさを感じながらも、家族やお客さまに助けてもらいながら来てくれた方々にとってこもりを心地の良い場所にしていきます。

—ありがとうございました。

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