起業の教科書連載シリーズ


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億り人になるためには大学卒業時に200万の貯金をしなさい~億り人インタビューその②~

億り人になるためには大学卒業時に200万の貯金をしなさい~億り人インタビューその②~

どうも、えらいてんちょうです。今回は、前回のカイリュー木村さんにつづく「億り人」インタビュー第2弾として、バリュー投資家しんさんにインタビューをしてきました。

小学生から郵便局に貯金

―今日はよろしくお願いします。まずは自己紹介からお願いします。

バリュー投資家しんです、46歳既婚。投資家、起業してボルダリングジムを直営で5店舗経営しているのとエンジェル投資で4社の筆頭株主です。

―経歴をお願いします。

愛知県に生まれ愛知在住。喘息持ちで幼少から体が弱かったです、20歳くらいまで重い発作に悩まされながら生活していました。今は元気です。タイプ的にはどんな小さなグループでもリーダにはなれないような感じでしたね。実家は自営業でしたが父が働かなくなり昼から泥酔するようになり一年に一度は車も大破させていて、経済的な不安がありました。そのため生き延びるために貯金をしないといけないという意識になり1,000円貯めては郵便局に貯金しに行くような小学生でした。高校生の時に月曜発売の少年ジャンプを金曜日に売っているところがあり、それを買い土曜日に高値で同級生に売ったりして小規模ながら商売をやっていた感じです。為替取引も高校の時から始めました。高校卒業時には40万貯めることができました。

―家庭環境からお金を貯めないといけないという意識だったんですね。

父が家で火事を出してアパートに引っ越したり、大学生の時、引越し先のアパートでも寝タバコで火事を出して一棟全焼させ焼死して初めてようやく開放された気分になりました。

阪神大震災を経験してやりたいことをやることに

大学生になって株式投資も始めました。とんとんぐらいでしたけど。月に1万円は必ず貯めようと決めて、最終的に大学卒業時には200万貯めました。就活の時期になっても就活する気にならず、卒業1ヶ月前くらいにハローワークに行って就職しました。働きだしてもかなりきつい職場で楽しいと思えなかったのですが、就職してしばらくして阪神淡路大震災がありました。何千人の方が亡くなったのをみて「人はいつどうなるかはわかんないんだな」と思い、それで好きに生きようと思いました。

―あの震災で考え方が変わったんですね。

そこで仕事やめてプラプラと1ヶ月くらい北海道・東北行ったりハワイ行ったりしてから歴史好きということもあり興味のあった遺跡の発掘を始めました。やってみたら毎日宝探しみたいですごく楽しくて自分にあった仕事だなと思い毎日楽しく過ごせました。そのうちにしっかり歴史を勉強したくなり大学に入り直し学芸員の資格を取りました。
その時期にクライミングにものめり込み、仲間で60万出して小規模なボルダリングジムを作りました。ただ仲間の意向で基本非営利でやって行くという方針で事業という感じでなかったのでもったいないなと個人的には思っていました。


結婚を期に株式投資の本格的に勉強

30歳の時に結婚して、家族の為にもお金がいると思い株式投資の勉強を本格的に始めました。ウォーレン・バフェット(※アメリカの投資家、経営者、資産家、慈善活動家。「投資の神様」とも呼ばれる)の本を買って勉強したのと、その師匠であるベンジャミン・グレアム(※アメリカの証券投資研究家。「バリュー投資の父」「ウォール・ストリートの最長老」とも呼ばれる)のバリュー投資を学びました。バリュー投資というのは簡単に言うと、本当の価値より安い株を買うことでリスクを低くし市場を上回るリターンを目指す、という投資手法のことです。バリュー投資を行なっている先人達にならえば年平均15%以上の利回りを出せる可能性が高いと考えました。実際私はそれを上回る運用収益を上げ比較的短期間で運用資産1億に到達することができました。

―株式投資を本格的に勉強したのは30歳からなのですか?

はい、とにかく勉強していたのですが、そのアウトプットとして投資ブログも始めました。その頃はまだブログをしている人も少なかったので、多くの人に読んでもらい人と繋がることもできました。人前で話すのは苦手なのですが、ウォーレン・バフェットに憧れて投資の講演もしました。その時に聞きに来てくれた出版社の方からお話があり本(「謎のトレーダー「しん」の株バリュー投資法―3年間で20倍!!」)を出すことにもなりました。

―本を出して何か変わりましたか?

後の話ですが本を読んで私も投資に成功しましたという声を頂きました。それに本を出したら後々まで覚えてもらい名刺がわりになっています。本を出したのは2005年で、まだバリュー投資の本も今ほど多くはなく、5回くらい増刷されたと思います。自分自身は大分前に本を書いたということもあり普段はすっかり書いたということは忘れていますが。
バリュー投資を長く続けている人の中では「億り人」になるということはさほど珍しことではなくコモディティー化しているという印象です。つまり再現性が比較的高く有効な手法だからだと思います。

40歳で起業

―投資家として成功を収めましたね。起業はいつごろからされたのですか?

40歳の時ボルダリングジムを移転しないといけないことになり、それを機に株式会社化しました。自身の出資も含め2,000万調達しましたが、クラウドファンディング的に一口5万円から薄く広く集めました。株式投資をしていたのであまり事業にお金を取られたくなかったというのもあります。自営業という感じではなく、上場企業のようにある程度規律があるよう意識しました。また、株式投資をする中で上場会社でも株主の利益をことを考えていないような会社をたくさん見てきたので、株主に還元するというのも意識しています。

―投資家から起業家というのは、わりと珍しい気がしますね。

そうですね、私は投資家から起業家になったので、資産がある程度あったことで運転資金に不安がなく、また企業や財務の見方がわかっていたことが強みですかね。また企業分析をたくさんして来たので経営のやり方を自然に学べていたように思います。私自身今はあまり店舗に立たずに人に任せています。今では5店舗に増え売上は約1億7,000万です。当時のボルダリングジムはお客さんをほったらかしにするようなところが多かったのですが、そこは接客面で差を付けるようにしました。また総合的に質が高い割に料金は他より安くするといったことも意識しました。私の感覚ではそもそも業界の料金水準自体が間違っておりそこより2割程度は安い料金水準としています。株式投資の種銭を貯める為に1年間飲食店で働いていたのですが、そこが上場企業でしたけどブラックだったのでブラックにはしたくないと思ってやっています。気楽に楽しく働けているのが理想ですね。従業員の拘束も8時間程度で、サービス業ですが土日も月に2回は休めるようにしています。その方がスタッフのモチベーションも上がり、結果的に定着率も高くなっています。自分が嫌だったことはしないように気をつけています。

―店を任せるスタッフを選ぶのも大変そうですが、何か気をつけていますか?

入ってきてくれた、なんとなくよさそうな人に任せています(笑)この間入ってきた人が3日目に無断欠勤したと思ったら窃盗で警察に収容されていたこともありましたけど。まぁだめな人は続かないですし。


エンジェル投資で筆頭株主に

―どのような流れでエンジェル投資をされたのですか?

自分のジムの開業時に手伝いに来た初対面の人が隣の県でジムを出したいと言っていたので隣の県なら競合にもならないだろうと思い500万出し、その場にいた友達も300万出しました。そこからエンジェル投資の話が来るようになりました。出資した会社は株式会社化してもらって筆頭株主になってます。自分の分かる事業なので、ノウハウを提供したりする場合もあります。最近はスラックラインというの綱の上で競技するスポーツがあるのですが、そのジムにも出資しました。スラックラインジムもボルダリングジムと同じ倉庫ですることが多いので開始時にはノウハウを提供したりしました。今は4社の筆頭株主ですが、だいたいうまくいっています。エンジェル投資でも最低利回りが20%出るようにしています。

―投資も起業も順調にうまくいったように思えますが、何が要因だったのでしょうか?

株式投資に関しては自分に合った手法を見つけられまたその手法が正しかったからなのだと思います。たくさんの億り人の誕生もそれを裏付けていると思います。あとそれを楽しんでやっていたということですね。起業やエンジェルに関してはバリュー投資で得た知見や知識を起業やエンジェル投資にもうまく援用できたからではないでしょうか?基本気楽に好きなことをやっていたらなんとかなっちゃったって感じです。もちろん企業の経営は楽しいだけでなく大変なこともあるんですけどね。投資家をやっているだけではわからなかった経営者の辛さみたいなのもわかりました。だから今は一方的に上場企業の経営者を責めることができなくなりました。笑
実は会社を立ち上げた時に好きに生きていいんだよってことを暗に込めていました。スタッフにも投資してくれた方にもお客さんにも。お客さんで、世界的な大企業に勤め30代で年収も1,000万以上あった方が会社を辞めて起業していて、それを見て伝わっているんだと思って嬉しかったですね。

―好きに生きて成功するのがすごいですね。現在はどのような感じでしょうか?

好きに生きていたからこそ成功できたのではないでしょうか?最初に勤めていた会社に嫌々勤めていたなら投資家としても起業家としても成功できたイメージが全くわかないですね。

現在の資産は合計3億で会社の借入が約8,000万。すぐ返そうと思えば返せるんですけど。不労所得は株の売却益含まず株式配当やエンジェルの配当などで約1,000万です。旅行や美味しいものは好きでそういうところにお金は使っています。事業の方は忙しい時もあったのですが現在は普通のサラリーマンの5分の1くらいの労力を使っている感じです。

理想は暇な経営者

―これからの展望はありますか?

もっと暇な時間を作りたいですね。理想は暇な経営者です。小さい子供もいて子育ても大変ですし。事業の方は拡大期を終え回収期に入るところでもうちょっと体制が整ったら従業員の中で引き継いでくれる人が現れればと思っています。そうしたらまた株式投資に集中したい気がします。またいま若者がネットの発達に伴いあらゆる分野ですごいスピードで成長できる環境にあり若者の時代がやってくる予感があります。資金調達の面でも少額ならCampfireやpolcaで調達できるようになっています。そうした世界をなんとなく見守っていたいですね。

―暇な経営者、いいですね。今日はありがとうございました。

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