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1200万円かけた整体院を5ヶ月で売却!現「エデン大阪」店長よしだはやとの場合【ショボい起業実践インタビュー】

1200万円かけた整体院を5ヶ月で売却!現「エデン大阪」店長よしだはやとの場合【ショボい起業実践インタビュー】

どうも、えらいてんちょうです。皆さん、「ショボい起業」やっていってますか。今回は、実際にショボい起業に挑戦している「エデン大阪」店長のよしだはやとさんにインタビューしました。

ホストから整体院開業を経て、エデン大阪店長に

―よろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をどうぞ。

宮城県仙台市出身、26歳のよしだはやとです。今年の5月18日に「エデン大阪」をオープンし、店長になりました。店の掃除やお酒の仕入れ、イベントブッキングなどを主に行っています。

―経歴をお願いします。

大学進学をきっかけに、憧れていた大阪へ。元々受験には興味がなく、大学にこだわりもなかったので、指定校推薦で行ける大阪の大学に入りました。入学してから、鍼灸師になるための大学だと知りました。
大学4年生の時にスカウトされたのをきっかけに、鍼灸師の国家試験に合格後、卒業前からホストとして4年弱勤めました。その間に貯めた1700万円を元手に開業。しかし、経営は赤字続きでうまくいきませんでした。何か活路がないかと思い、本やインターネットで情報収集していたときにえらいてんちょうさんの「ショボい起業」を知りました。

年収1000万円超え。だけど「何も変わらない」と気づいたホスト時代

―開業資金を貯めるために、ホストをはじめたのですか?

いいえ。まったく関係なく、単純に人と話すことやお酒が大好きだったので興味をもちました。体験入店(1日だけホストの仕事を体験すること)をして、ホストの仕事の面白さにすっかりハマった感じです。
元々は居酒屋でアルバイトしていましたが、国家試験の勉強のために退職。ところが、意外と試験勉強が簡単で「これならバイトやってても余裕だな」と思っていた時に丁度スカウトされたので、タイミングも良かったです。

―「ホストの仕事が面白かった」とのことですが、辞めた理由はなんですか?

売れるようになったら面白くなくなってしまいました。というのも、後々気づいたのですが、僕はお金にまったく興味がない人間なんです。ホストをする人は、多かれ少なかれ「お金が欲しい!」って気持ちがある人が多いんですけど、僕にはそれが全然ありませんでした。
ホストになって最初の2年間はほとんど稼げませんでした。お客さんはやっぱり男女の会話というか疑似恋愛を楽しむ人が多くて、友人のようには話せるけど恋愛経験がなく恋人のように話すことが不得手の僕にはなかなか指名がつきませんでした。月15~20万円稼げればいい方で、給料マイナス4,000円なんてこともありました。結局欲のなさがウケて、2年を過ぎた頃に本指名してくれるお客さんが1人できたのですが、そのお客さんがとにかくお金を使ってくれたんです。給料もどんどん上がって、最高で一ヶ月手取り560万円。店のナンバーワンの常連にもなりました。

―2年間辞めずに続けていたんですね。

普通だと、僕みたいに稼げない・向いていない人は1年くらいでスパッと辞めてしまうんです。逆にホストに向いている人は10年20年続けて、経営する側に変わっていく。僕みたいに「4年弱勤めて辞める」という経歴はホスト業界の中では珍しいです。
2年過ぎてお金が稼げるようになったのですが、生活はなにも変わりませんでした。移動は地下鉄、食事もいつもの材料で自炊を続けていました。他のホスト仲間は時計やアクセサリー、車、家にお金を使ってましたけど、僕は特に欲しいと思わなくて。月収が100万円を超えたところで、「あれ、何も変わってないな」と気づいたんです。それに気づくと給料日も面白くなくなってきてしまって。「夢の年収1000万円!」とか言いますけど、実際に1000万円稼いでみても僕の生活は何も変わらなかった。じゃあ1000万円が1億、10億になったところで、何か変わるのかといえば、何も変わらないんだろうな、と思いました。そこから一気に、お金を稼ぐことに興味がなくなってしまったんです。

―お金が欲しいわけじゃなかったので、一気に気持ちがなくなってしまったんですね。

はい、あとホストを4年やって思ったのは、ホストはお金以外にメリットってあまりないなということ。行きづまった時に先輩や上司に相談しても「稼いだ金は何かに使わないと面白みがないよ」と言われるだけで、その使い道ってやっぱり高い車を買うとか、家賃の高い場所に住むとかで、つまらないなと思いました。そういったこともホストを辞めるきっかけになりました。


1200万円かけた整体院を5ヶ月で売却。そのなかで見つけた「ショボい起業」

―そこから開業しようと思ったきっかけを教えてください。

2017年1月にホストを辞めようと決心して、次は何をしようかと探していたときに、ネットで起業や開業をサポートする会社を見つけたのがきっかけでした。就職は眼中になかったですね。というのも、東北生まれの僕には大阪の夏は湿気が多く暑すぎて、スーツや長ズボンは絶対耐えられないです。また、社会人経験もなく、上から命令されるのが嫌いで、勤め人には向いていないと思っていました。周りの「会社行きたくない」「毎日辛い」っていう愚痴ばかり聞いていて、いいイメージもなかったですし。起業・開業という話を聞いて、「資格を活かして整体院を開こう」とすぐ思いました。
2月に社長に相談して、開業資金の1500万円が貯まったら辞めることで許可をもらいました。そこから半年かけて1700万円を貯金して、8月末に退職。サポート会社と相談しながら開業のための場所・内装・機材等々を準備し、従業員も5人探しました。全部含めて開業までに約1200万円かかりました。

―開業資金1500万円という数字は、どのようにして決めましたか。

サポート会社に「1000~1500万円かかる」と言われたので、それをそのまま鵜呑みにしました。今思うと50万円でも全然開業できたなって思います。
準備は順調に進み、2017年12月に京都の福知山市で開業しましたが、そこからは順調にはいきませんでした。月の固定費が人件費込みで約150万円。1ヶ月目の売り上げは約100万円でしたが、起業1ヶ月目が赤字になることはままあるので、あまり気にしていませんでした。「ここから上がっていけば問題ない」と楽観的に考えていましたが、以降は50、60万円止まり。3ヶ月目で貯金も底を尽きはじめ、「これはもう絶対ダメだな……」と思い、対策として国銀や地方銀行で融資を依頼しましたが、まったく取り合ってもらえませんでした。なんとか立て直せないか、他の方法はないかと必死であちこち調べました。Youtube、本、ネット、ニュース……最初見つけたのはホリエモンの仕事術でしたが、実践してもうまくいかない。他にないかと探したとき、ようやく「ショボい起業」論を見つけたんです。読み進めていけばいくほど「その通りだな!」と納得することばかりで、これは誰が書いてるんだと思って探したらえらいてんちょうさんの名前が出てきました。Twitterまで飛んで、どんな事業をやっているのか見てると「イベントバーエデン」が出てきて。丁度「大阪でエデンのフランチャイズ出してくれる人募集」と書いてあったんです。「これだ!」と思い、その時点では何も決まっていなかったんですけど、すぐに「整体院売却してエデン大阪やります!」とDMしました

―その2日後に東京の「エデン」に来たんですね。

そうです。とにかくえらいてんちょうさんと話さなければ、と思いました。実際に話して、エデン大阪を任せてもらえることになって、そこからは即行動ですね。整体院の売却準備を進めながら、エデン大阪の開業準備を進めました。
整体院の売却は、その頃丁度近くに探している人がいて、トントン拍子に話が進み、結果700万円で売れました。そのお店は現在も続いていて、一番いい形で手を離せたかな、と満足しています。
エデン大阪のテナント探しもほんの1、2時間で見つけることができました。不動産屋に細かく条件を提示したところ「もうここしかないです」と言われました。見に行ってみると、昔スナックだった場所の居抜きで、なんば駅から徒歩10分という好立地。考えていた場所にぴったりで「ここにします」と即決でした


開業1ヶ月の今、無事黒字。色々な人に支えられて成功している「エデン大阪」

―エデン大阪の開業費用はどれくらいになりましたか。

合わせて50~60万円くらいかな。借金もせずに済みました。
今年の5月18日に無事オープンして、従業員は僕1人。固定費も8~9万に抑えられています。
6月の売り上げは20日現在で25万円ほどあるので、黒字になりました。
また、従業員はいないのですが、手伝ってくれる人がたくさんいます。例えば、僕は朝や昼に起きれないので、Twitterで「店を開けてくれる人を募集します。給料は出せませんが、店のテレビやゲーム、wi-fiを自由に使ってください。接客もしなくていいです」と募集したら人が来てくれました。いまだに本名もどんな経歴の人かも知りませんが、店を開けてくれて、僕がいてもお客さんが来てくれたら接客もしてくれます。

―まさにショボい起業が成功していますね。

はい。他には、バーと言いつつお酒の種類が少なくて、最初は10種類くらいだったんですけど、日替わりで呼んでいるバーテンダーさんたちが「使いかけだから」と言ってお酒を置いていってくれるんですね。今は30種類くらいに増えました。他にもたくさんの人に助けられてるな、と感じます。

―今後の展望はありますか。

今でもエデン大阪には10代~60代といった幅広い世代のお客さんが集まってくれているんですけど、もっと若い世代が集まれる場所にしたいと思っています。日曜のお昼に学生専用の「勉強バー」として無料開放予定です。ドリンクも一杯無料で、コンセントやwi-fiを使い放題にします。

―若い世代に来てもらう取り組みはいいですね。ありがとうございました。

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