AD/HDコラムVol.2 AD/HDの傾向と起業への適性について考える その1

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世の中には、AD/HDの特徴をうまく活かして、とてつもない力を発揮するケースがあるのをご存知でしょうか?

目の前にあるものや情報、内容などを「何のことか?」と解釈あるいは判断する過程のことを「認知」といい、人によって「認知の」方法には違いがあります。@「認知」の過程は、いくつかのタイプに分けられますが、それぞれのタイプを「認知特性」といいます。他の人とは少し違う、多かれ少なかれ誰もが持っているような「ちょっと変わった認知特性」が、所属する社会の中でいささかバランスが悪いものと受け取られ、ハンディキャップを背負ってしまうAD/HD。でも、その特徴を長所に変えれば、世の中を渡って行きやすい人もいるのです。

遠藤野ゆり准教授
特に、従来の知的能力や体力など、AD/HD傾向とは関係のない部分の能力が高い人は、その力を発揮する方法の一つとして、“起業”を考えてみるのも、一つの選択肢かもしれません。

 

“起業”に向くAD/HDの特性

AD/HD傾向にみられる特性を元に、起業に向いているポイントを考えてみます。

新しい情報に敏感で次々とアイデアが湧いてくる

AD/HD傾向の人は、新しい情報に敏感です。さらに、気になったらすぐ調べずにいられない【衝動性】という特徴により、次々と新しい情報を蓄積していくことができます。これから起きそうなことをある程度予測でき、さらに情報の本質を探り当てる力が備わっていれば「時代を先取りしたコンセプトを軸とした起業」が期待できます。

また、新しい刺激に反応してアイデアがどんどん湧き出てくる反面、【不注意】という特性が良い方向に作用すれば、細かい欠点には目もくれず、どんどん新しいことを考えつき、アウトプットしていくことに長けているのです。

 

興味あることにはとことん集中

AD/HDの人は【不注意】になりがちですが、反対に【過集中】という傾向もあります。「全体を把握する力」と「一つの対象に絞り込んで考える力」という、注意の二側面のバランスが悪いため、後者が極端に働くと、過集中が起きるのです。

過集中になったときは、寝食を忘れて興味あることにのめりこみます。何かを成し遂げるには、相当の興味・関心や、集中力が必要となる場面が多々あるでしょう。過集中のタイプには、そういう意味で新しいことを実現させる力が備わっていると言えます。

 

軽快なフットワークで物事がどんどん進む

【多動性】の特性が強い人は、思い立ったらすぐ行動に移します。多くの場合、単なるアイデアは「絵に描いた餅」で終わりますが、【多動性】が高い人は、実現に向けて体を動かすことを苦にしません。新規事業のために人に会いに行く、場を確保するために動くなど、実際に足を運ぶことに関しては実にスピーディー。文字通り「フットワークが軽い」のです。

 

多くの人が躊躇するときも、【衝動性】が高い傾向の人は、立ち止まりません。リスク予測が苦手で、危険なこともやってしまうという点は課題でもありますが、新しく何かを立ち上げる場面ではむしろ「躊躇せずに動く」という特性がプラスに働きます。問題が起きたらそのときに考える。しかも何とかなってしまう。【衝動性】と【多動性】が組み合わさることによって、こうしたことが可能になります。

 

多少困った人でも魅力的なら周囲が一緒に動いてくれる

筆者の経験上、AD/HD傾向のある人は、他人を惹きつける魅力にあふれた人が多いと感じています。実際、ベンチャー企業やNPOなどの代表者には、AD/HD傾向の人が少なくありません。こうした代表者は、「雑」で「うっかり」で「騒々しい」。けれど「あの人にしかできないことがたくさんあるから支えたい」と、サポートにはげむ優秀なスタッフに恵まれています。

その魅力は、流行を先取りする新しいアイデアにあふれ、フットワークが軽く、ひとの嫌がることも率先して取り組むAD/HD傾向の特性から生まれるのでしょう。

何かに過集中してしまい、人の話を聞くとか、書類提出など些末なことがおろそかになっても、明朗快活で悪気がなく魅力あふれるひとなら、「あの人だからしかたない」と周囲も受け入れて、これを前提として動いてくれるようになるでしょう。

 

 

過集中が起こりやすいか

圧倒的なパワーで仕事をこなすことができる過集中の性質は、起業において大きな原動力です。この過集中が起きにくく、ふだんいつも「ぼんやり」しているタイプのひとは、起業してからも大量の仕事を処理していくことは難しいでしょう。いったん興味を持ったら過集中に入り、ものすごい質と量のアウトプットができる人にのみ、起業は向いています。

 

衝動性が高いか

高い衝動に突き動かされ、リスクを気にせず興味関心のあることに突き進むというパターンは、AD/HDタイプのひとが起業する場合の典型例です。しかし同じAD/HDタイプでも、衝動性の高さには個人差があります。

慎重、怖がりの人は、こういう勢いに乗っていくかたちの起業には向いていません。

 

自尊感情の高さ

自尊感情とは「自分はあるがままの自分でよい」という無意識レベルにおける実感のことです。人が行動するエネルギーはこの自尊感情から生まれるのですが、その強さは環境に大きく左右されます。この感情を育む最大の環境要因は、特に子ども時代に、あるがままの自分を温かく受け入れられているという「安心感」でしょう。

逆に、いつも叱られ、否定されるばかりでは、自信を喪失して、力を発揮できなくなるのです。

時には周囲の誤解によって、適正に評価されないことへの憤り、「いつか見返してやる」という反骨心などから、起業へのエネルギーが生まれるかもしれません。しかしこれも裏を返せば、「自分はもっとできる」という高い自尊感情が根底にあってこそ。

自分はどうせ何もできない、いない方がましだ、自分の存在がうとましい――。こういう人には、起業のような仕事のやり方は難しいでしょう。

 

まとめ

AD/HD傾向がある人の中には、起業に向いている人、特にベースとしての高い能力をもつタイプ(ハイスペックAD/HD)であるなら、自らの想いを形にし、新しい事業を起こすことで、大きな成功を収める人が少なからずいます。

但し、AD/HDの特性により、それを上手く継続していくことは難しいケースもあるでしょう。自分の長所と短所をしっかりと見極め、悪い所をフォローしてくれる体制(パートナーシップ、ビジネスパートナー)を築くことが出来れば、大きな成功を収めることも不可能ではありません。

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